connect_06昼下がりの スカイブルー 今日はやけに購買に売っているものが少なくて、危うく俺の昼飯がなくなる所だった。ホッと肩を撫で下ろした俺は、教室に戻ろうと踵を返した時、隣でうずくまっている女子を視界に捕らえた。 廊下のど真ん中でうずくまってるから無茶苦茶注目を浴びてることに気づいてんだろうか。 「…、先輩?」 ばっかじゃねえ、俺。何で声かけちゃったんだよ。周りの視線が俺にまで集まりはじめた。 はガバッと顔をあげるとずんずん近づいてきて俺の腕を掴む。 「ちょっと、変態ませワカメ」 「誰がだよ」 相変わらず名前を覚えない先輩だな。睨みつけるとは俺の手からパンを一つかっさらってニッコリ微笑んだ。不覚にもドキドキしちまった俺は馬鹿だ。 「これちょうだ、」 「やだね」 「…な、私が飢え死にしても良いわけ!?」 「血も涙もないわね、ませワカメ!」とかなんとかわーぎゃー騒いでいる先輩はどうやら購買戦争に出遅れたようで昼飯は確保できなかったようだ。たかが昼飯抜いただけで飢え死にするわけねーじゃん。俺は昼飯抜くのやだけど。 「ませワカメ、これあげるから!」 が出したのは「恋たる彼氏」のジュースだ。佐熊から貰ったんだそうだ。何なんだあの人、布教でもしてんのか。嫌ッスよ、と押し返すとはそれを押し戻してきて、更には俺のポケットに突っ込もうとしてる始末。 「ちょ、何なんスか!これこの間飲んだらむっちゃまずかったんですよ!」 「んなの知ってるわよ!私なんか毎日渡されてんだかんね!」 「威張んなよ!」 「威張りたくもなるわよ!今までのみ続けてきたんだもんっ」 だからって俺に押し付けるのは間違ってると思う。それなのに諦める気配を見せないは「これ飲めばワカメ卒業出来るよ!」とかわけ分かんねえ事言ってやがる。それ以上ワカメっつったらマジ殴るぞ。 「脱・ませワカメ!」 「お前いい加減にしろよ」 「あたっ」 にチョップをかますと彼女は膨れて俺を睨む。そんな顔されたってこればっかりは許せねえから。しばらく俺らはパックの押し付け合い(当初の目的はとっくに忘れていた)をしていたら不意に佐熊がひょこりと顔を出した。 「えーお二人さんそんな『恋彼』ジュース取り合いしなくてもー」 押し付け合いの間違いだ。佐熊は手に持っていたパックを俺に渡すと「円満解決っすね」とにこやかに言う。押し付ける物が増えただけで何の解決にもなってない。しかしこのまま押し付け合っていても仕方ないので、それを一つづつ引き取った俺達は肩を落としていると、いつだか聞いた演歌が耳に入った。 どうやらのプライベート用携帯にメールらしい。 「誰からっすか」と言う佐熊の問い掛けに「だよ」とが答えるが、その瞬間佐熊の表情が曇った。 「…氏、この人その携帯からアドレス移した方が良いっすよ。これあげるから」 そう言って佐熊が出したのは以前がぶっ壊したのと全く同じ携帯だった。(…あげるって、は!?携帯を!?)どうやら壊す度に携帯を貰ってるらしい。コイツら何者… 目を見開く俺を横目に、は礼を言って携帯を受け取るが、それにアドレスを移し替える気は無いようだ。 「まあ別にどうでも良っすけどねー」 ずずーっとジュースを飲み切った佐熊はヒラヒラ手を振って教室に戻って行ってしまった。もよく分からないが佐熊はもっとよく分からない。俺は息をつくと佐熊の背中を見つめていたの手の上にパンを一つ乗っけた。はキョトンとパンと俺を交互に見たから俺は更に紙を差し出し、ニッと笑う。 「可哀相だからそれあげるッスよ。その代わり、メールしてくださいね」 に渡した紙をトントンと叩いてから俺は踵を返して教室に戻って行った。 (やっぱあの二人フラグ立ちまくってるっすよねー丸井氏)(そーだなー) もどる もくじ つぎ ---------- 110320>>KAHO.A |