connect_02紙屑みたいな青春を 拾いました 「おばちゃんいつもの」 俺が購買のカウンターに顔を覗かせ500玉を出すと人の良さそうな顔をした購買のおばちゃんが、はいよといつも俺が買うパンを手渡す。 ありがとおばちゃん、と笑顔を返した時、横に誰かが立って「おばちゃんいつもの」と俺と同じ台詞を口にした。 「いつものって、アンタいつも違うの買うじゃないかい」 「そうでした。ついこの歩くワカメに釣られてね」 「誰が歩くワカメだオラ」 睨みつけた相手はとんでもなく見覚えがある顔だった。えーと、だっけ? 対するはというと「歩くワカメだと思ったら昨日のシカトワカメじゃない」 と目を丸くしやがったマジコイツ潰してえ。 おばちゃんからパンを受けとったは「じゃあ」と歩きだした。おい待てや。 「アンタ先輩なんスね一応」 「つまり君は後輩なんだね。どうりでガキみたいな顔してると思ったよ」 「てめえ…!」 怒りで危うくパンを握り潰すところだった。落ち着け落ち着けと深呼吸しているとは「身長は高いね、うらやましい」と呟いたからちょっと嬉しくなってまあね、なんて笑ってみせた。…って馬鹿じゃね。何喜んでんだよ俺。 「ところで君何組なの」 「え?2-3ッス」 「ふうん」 「アンタは?」 「私?えーと、3-5?」 俺に聞くなし。何故疑問形。つか5組って幸村部長と同じクラスか。ふーんと呟くとふいにが俺を突いてきた。「何か視線が痛いんだけど何でだろう」なんて、俺が一緒にいるからじゃねーの。 「なるほどナルシストワカメとかなかなかいないもんね。そら珍しくて見ちゃうよ」 「お前マジで殺されたいわけ?」 ぎりぎりと腕を掴んで力を込めるとその瞬間痛みが走ったのは俺の腕だった。捩り上げられていた。え?は?っていででで! 予想と違った事態にちょっとびっくりした。まさか防御されるとは。目を丸くして彼女の方を見るとは「ああ、やべ怒った?ゴメン許してね」なんて早口に言って慌てて俺に背を向け走って行ってしまった。 「…何だアイツ。ほんとわけわかんねえな」 ガシガシと頭をかいてから、何かマジで周りの視線が痛かったからとりあえず丸井先輩と柳先輩のクラスである3-7に向かう事にした。昨日、結局課題を持って帰るのをすっかり忘れていて、何もやってないんだ。英語は5限目だから今やらないとまずい。7組に出向くのも柳先輩ならなんとかしてくれるだろうという考えからだ。 「柳先輩いますかー」 パンを抱えて教室を覗きこんだ俺は近くの女子生徒に声をかける。 「柳君?ちょっと待ー…ワカメじゃないかどうした」 「は、!?」 「何故私の名を!?」 え、待てお前5組って言ったよな、ここ7組だぞ。「5組ってのは嘘だぴょーん」…って潰す。いちいちうぜえ。舌打ちしてを睨んでいると柳先輩と丸井先輩が「どうした」とやってきた。 「あ、何もしかしてこのワカメ柳君と丸井君の知り合い?」 「知り合いっつか後輩な。部活の」 「お前こそ赤也知ってんの?」なんて丸井先輩が尋ねてたから俺は割り込んで昨日の話をしてやると、先輩は腹を抱えて笑い出した。昨日の変な奴ってのことかと。そうだよのことだ。 「携帯壊してるしマジ驚いたんスよーそんで、」 「え?氏また携帯壊したんすかーいけねっすねー、うん」 「…また…?」 つか誰だ。俺の言葉を遮って現れたのは頭に眼鏡を乗せて(つけて?)いるこれまたわけの分からない女。名札には佐熊遥とある。佐熊は手には甘ったるそうなパックのジュースを持っていた。パックに何か書いてある。 「…『恋たる彼氏』」 「え、何。切原氏知ってるの?『恋彼』」 いや読んだだけだから。丸井先輩は「お前あっちいけややこしくなる」なんて佐熊を追いやる。彼女は無茶苦茶つまらなさそうな顔をしてから丸井先輩を睨みつけた。 「リア充が、爆ぜろ」 「…だそうだぞ丸井」 「あああうるせえ柳!」 丸井先輩はガシガシ頭をかいてから俺の方を見て「で、用件はなんだよ!早く言え!」なんて八つ当たりしてきた。 いや丸井先輩に用があるわけじゃないけど。とりあえず用を話すと柳先輩はアッサリ俺を突き放した。自分でなんとかするんだなと。 「そこを何とか!」 「駄目だ俺は手伝わないぞ」 いくら言っても柳先輩は取り合ってくれそうになくて、もう藁をもすがる勢いで隣でメロンパンをのんきにあむあむ食ってるの腕を掴んだ。 「アンタ英語できたりする!?」 「あいはぶぁパン!」 駄目だ。流石に俺でもパンがブレッドと言うことくらい知っている。コイツは駄目だ。 俺がうなだれる隣で柳先輩と丸井先輩が苦笑していた。 (切原氏私できるー)(お前はいい)(あいはぶあメロンパン!)(お前もマジやめろ) もどる もくじ つぎ ---------- やばい書き出したら止まらない! このサイトで赤也が需要あるか分からないですけど楽しいからいいや! 110315>>KAHO.A |