00_あとがき
命って大事だよね!
そんなお話。どうも、こんにちは天宮かほです。

ここまでお読みくださって本当にありがとうございます。
この連載は、普段トリップものをまったく読まない、書かない、な私が、トリップものを克服(またの名を書く訓練)するために書き始めたものです。トリップものの勝手が分からず右往左往しているうちに、何とか完結までこぎつけることができました。トリップものがお好きな方からしたら、こんなんトリップものじゃないわいと感じられたかもしれません。まだまだ未熟な部分が多かったかと思いますが、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございます。

さて、せっかくなので、少し細かいお話をさせていただきます。
このお話のタイトルである「ログアウト」
これは、「自分の世界から追い出された」という意味であることは、読んでくださった方はとっくにご存知かと思われますが、もう一つ「弱い自分からの脱却」という意味がありました。そういうことで、弱い自分から抜け出す「ログアウト」。いかがでしたでしょうか。
トリップがメインですが、テーマ的には、いつも通り命は大事にしましょうね!というそんな感じです。

その命についてですが、ヒロインがトリップをするたびに包まれる光。「行き」は痛みの描写がありますが「帰り」にはありません。
これに関しては、少し言い方が悪いのですけれども、「行き」に自分の中にある特定の弱い部分を「殺している」というそう言う意味を込めました。だから、その世界で色んな事を学び、得た自分が「帰る」時には「殺す弱い自分」がいないので、痛みがないという。

それから、このお話は人魚姫の童話になぞられていますが、イレギュラーな存在が多かったので、そのことについても。
まずはヒロインは勿論人魚姫の位置にいます。丸井先輩は、一応王子様のポジションですが、はっきり「王子様!」と決めてしまうと、本当に報われない存在になってしまうので、そこはぼかします。それから、ヒロインの友人は、ヒロインに「生きたい」ともう一度思わせる役目の位置でした。
それから幸村に関しては、あまり出てきませんでしたが、彼も一応物語を調節する重要なポジションの一人で、
ヒロインに「運命を変える力の存在」を教える役割でした。赤也はただの良い奴でした。むしろ物語の配置的な縛りがないから自由にヒロインを助けられたのだと思います。多分。

さて、最後に、未来での丸井先輩の台詞について少しだけ。
「じゃあ、その時は本当に帰してやらないから覚悟しろい、ってな」
これは、「次あったら今度こそずっとそばにいたい、一緒に生きたいから、帰さない」という、そのままの意味もあるのですが、もうひとつ。
お互い前に進むために、お互いがいるべき場所、つまりヒロインは元の世界、丸井先輩は自分の世界、というのが正解だと先輩はもう気づいています。だから、こんな風に「今度こそ捕まえてしまうから」と言えばきっとヒロインは自分の前に二度と姿を現さないだろう、自分に苦しめられることはないだろうという相反する二重の意味がありました。
このお話の未来で、ヒロインがどうなったかは、皆さんのご想像にお任せします。
私も全く考えてません。生きる意味も見つけて、丸井先輩にもきちんと謝れたからもうトリップする理由はなくなりましたが、ヒロインが言ったように未来には何が起こるかなんて分かりませんしね。
もしご要望があればまた番外編なども書いていきたいと思います。(一応、ヒロインがいなくなった直後のお話は何となく考えてありますので、それはいつか更新するかと)

それでは、長々とここまで本当にありがとうございました。
今度こそ、…今度こそ!丸井先輩とヒロインがきちんとくっつくお話を書きたいと思います。(ほんとこれ言うの何度目だ)


ではでは次の連載でお会いできるのを楽しみにしております。



天宮かほ


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