いいよなぁ・・・・・・
わん、触ったことないんだよなぁ・・・・・・
凛くんはあるらしいけどしんけんばぁ?
どんなんだろうなぁ・・・・・・
ふわふわしてんのかなぁ・・・・・・
やべ・・・・・・






 「凛くん・・・・・・」




 「あい?」



凛くんがいつも一緒にいる長髪仲間がいない隙に、聞かないと。




 「あ、あぬさぁ・・・・・・」




 「あい?何だよ裕次郎」




 「
おっぱいって・・・




 「は?」




 「
・・・・・・ってどん・・・の




 「はっきり言えー」




 「
・・・・・・おっぱいって・・・や、やわらかいの?






鳩が豆鉄砲を食らった顔のソレ。
わん、凛くんのこんな顔初めてさぁ。
凛くん以上に言っちゃった自分自身に驚く。




 「・・・・・・その・・・・・・凛くんはあるって聞いたから・・・・・・」




凛くんはそれを聞くなり、顎に手を当てて考え込む。
そしてなにか閃いたのか、わんに向けて指を鳴らした。




 「・・・・・・本人に直接言えばいいさぁ」




 「り!凛くん!しんけん?!」




 「もち」




ニカッと憎たらしいくらいの笑みを向けてきた。
白い歯なんか出して・・・・・・なんかはらたつ。






 「・・・・・・でも、誰に」




 「 、だろー知っちょるんだからな」




 「なっ、どうして!凛くん酷いさぁ!」




 「・・・・・・あい、次移動さぁ。裕次郎も早く準備しろー」




急に時計を見て言った。
凛くん、意地悪さぁ・・・・・・。
必要最低限の荷物を左手に、右手にペンケースを持って、さっきの長髪仲間と合流した。
わんもそれを見て、渋々準備を始めた。




チャイムが鳴り、全力疾走した。
あの先公遅刻すっとうるさいんだばぁ。
なんとか授業に間に合い、決められている自分の席に座った。
一番後ろの席に座ってる さんをまじまじと見つめる。
が、どーしても眼が合わない。
真剣な顔して黒板見つめてるし。
わん、そんなに嫌われてる?
でも嫌われるようなことしたっけ?
しぶしぶ黒板に目を戻し、つまらない授業に耳を傾けた。






授業が終わっても、まだあのことで頭がいっぱいだった。
さんに・・・・・・言えるかな・・・・・・
無理無理!
常識的にありえねーし。
でも・・・・・・おっぱい触りたいなぁ。
でもでも・・・・・・嫌われちゃうかな・・・・・・。




 「ぐぅ・・・・・・」




考えすぎて熱出そう。
こんなくだらないことで悩むわんが情けなくて自己嫌悪。
一人で勝手に落ち込んだ。
机に突っ伏せていると、上から天使のような声(わん比)が降ってきた。




 「どうしたの?」

・・・ さんだ・・・・・・!
わんはバッと顔を上げた。
やべ・・・・・・今顔真っ赤かも・・・・・・。




 「なっ・・・・・・ど、どしたの?」




 「ふふ・・・・・・私はどうもしてないよ。甲斐くんこそ真っ赤な顔してどうしたの?」




笑ってる!て、天使だ・・・・・・!(わん比)
と、とりあえず言い訳・・・・・・




 「おっ・・・寝起きだからさぁ・・・・・・」



おっぱいって言いそうになったわんは病気なんかな。
危なかった・・・・・・。






 「寝てたんだ・・・・・・ごめんね、起こしちゃって」



わんはブンブンと首と手を大げさに振って否定した。




 「今起きようとしてたとこだったから!」




 「そっか、じゃあまたね」




ひらひらと手を振って行ってしまった。
今言ってたらよかったのかな・・・・・・。
嫌われちゃうかな・・・・・・。
や、こんなに悩むんだったらいっそ嫌われたほうがマシ?
・・・・・・当たって砕けろだ!





 「・・・・・・ 、さん!」



踵をくるりと返して振り向いた。
・・・・・・うぅ、やっぱ言えないかも。




 「? どうしたの?」




 「これ、聞いてきらいにならないでっ・・・・・・じゃなくてきらいになってもいいけど・・・・・・」




 「?」




 「お、おっぱい・・・・・・触らせて・・・・・・い、いや、やっぱ・・・・・・きらいになるよな・・・・・・」




 「・・・・・・私の・・・・・・?」




 「そ・・・・・・そう、だけど」




さんは眉間に皺をよせて、下を向いて震えていた。
や、やっぱ・・・・・・でっかいパンチ飛んでくるんだろうな・・・・・・。
覚悟を決めて、まぶたを思いっきり閉じた。
・・・・・・でも、いつまで経っても予想をはるかに超えるであろうパンチが飛んでこない。
薄く目を開けると、真っ赤な顔して少しだけ涙目の さん。
か、かわいいけど、ど、どうしたんだ・・・・・・?






 「・・・・・・条件つきで、いいよ」




 「じょ、じょうけん・・・・・・?」




 「まだ秘密」




なんで、?いい、の?
ぐるぐると さんの言葉が回る。
じょうけんってなんだろ。




 「放課後、体育館裏、でいい?」




 「う、うん」




さんはそれを聞くと、思いっきり踵を返して走り去っていった。
や、やべ・・・・・・ほんとに、いいの?
今日は幸い、部活が休みで(晴美の体調不良だってさ)、
放課後は慧くんとゲーゼン行こうと思ってたけどやめた!
放課後が待ちきれなくって、何度も時計を確認した。







-






HRが終わると、一目散に体育館裏に走った。
から、まだ さんは来ていなかった。
やっぱ、だめだったかなぁ。
このまま来なかったら慧くんとゲーゼン行って、ファミレスで一品だけ奢ってあげよう。




それから10分後くらいに さんはこちらを覗くように壁から現れた。
・・・・・・ほんとに、来てくれた・・・。
感激と、緊張のあまりなきそうになった。





 「・・・・・・条件、」




 「・・・・・・・・・・・・」




 「やるなら、思いっきり、やって」




 「・・・・・・へ?」




あまりに意外な条件で、間抜けな声が出た。
もっとこう、近づくなとか、関わるなとか、そんな感じなのかと思っていた。 さんは覚悟ができたのか、はいと腕を軽く広げている。
いさぎが良くて、言い出したわんが戸惑う。




 「ほんとに、いいの?」




 「・・・・・・いいよ、だから、早く」




 「お、おう」


















さんが覚悟を決めてからどれくらいたったんだろう。
やっぱりわんの勇気が足りなくて、手を伸ばせない。
そしてついに、




 「ご、ごめん・・・・・・やっぱ無理」






今度こそ強烈なパンチが飛んでくるかと思い、思いっきり目を瞑った。
が、またも見当はずれのようだった。




 「人の覚悟を踏みにじって・・・・・・」




 「ご、ごめんね・・・・・・」






 「・・・定食、一週間」




 「?」




 「奢り、だよ?」





少し怒ったような顔で見上げた さんはでーじかわいい。
・・・・・・なんて、いえないけど。
































               
ふわり、きみにおちる

                                                      (裕次郎にはまだ早いさぁ)





















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素敵な相互様、 †木苺工房†の5000hitをお祝い。
フレッシュでワタクシにはないものをお持ちの天宮かほさんに捧げます。
適当な方言で本当に申し訳ないです・・・。
おめでとうございます。これからもよろしくお願いします。


エロって程エロくないけど、健全って程健全じゃない。
下ネタって程いやらしくないけど、やっぱり健全じゃない。
そんな微妙なライン、狙いました。
青春男子、甲斐くん。

ここまで読んでくださりありがとうございました。


10/06/20  ui

 

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まず一言。
最高です。
ぐっじょぶ甲斐。
いつもはかっちょいいのに、やっぱり中学生らしい一面があるんだなぁ、と
思いながら読ませていただきました。
普段見れないような甲斐君が見れたのでニヤニヤです。
こんないろんな意味ドキドキで新鮮な話を書けるうい姉さんを尊敬しております!!

この度は5000HITをお祝いしていただき、本当にありがとうございました!!


                                        天宮